わたしは、どちらかというと、おやじさん達のように、抱っこしてよしよし、ということはしない。わたしにはあまり合わないコミュニケーション方法だと思う。もっぱら散歩で黙々と歩き回るくらいだ。あと食事のときの芸くらいだ。彼女たちにベランダへ出てもらおうと思ってサッシを開けても、ソーラさんがなかなか出てくれないときがある。こんなときは抱いて出してやることがある。要は、あまり抱き上げてあげることは少ないように思う。
わたしに抱き上げられても、それほど、うれしそうにしているとも思えない。大きな瞳できょとんとみている。目が会うとしっぽなど一応ふってくれている。さささっと数回振るととまってしまう。ようにわたしは勝手に思い込んでいる。頭をなでるくらいはするけれど、ほお擦りとかはあまりしない。
わたしがミニダックスのソーラさんとアスカさんにものすごく毎日のようにほお擦りをしたり、かわいかわいの抱っこをしたりするのはあまり想像したくない光景だと思う。絵にならない。
ということで、わたしは、ドライな関係である。犬だけれど猫可愛がりはわたしには合わないコミュニケーションなのだ。
まあ、そうはいっても、かわいいもので、家に帰り着いたときなど、しっぽを振りながら飛びついてくる。ひょいと抱き上げる。顔を間近に見える。
顔は小さいがデカイ目をしている。鼻がぬれている。鼻が長い。横から見るとカッコいいが。正面から見ると奇妙な感じもする。しげしげと見ていると、なぜか少し横を向いて目をそらすようにする。真っ直ぐ向けさせようとすると、また今度は反対の方へ鼻を向けてしまって、目もそらした。も一度正面に向けさせると、ぺろりとなめる作戦に出られてしまった。
( つづく )
その二