天気もいい。人でも多く、にぎやかなお祭り日よりとなった。
どこからか笛太鼓の音も流れてくる。
ミニダックスまちのいきいき長生き胴も長いぞーまつりは成功と言えるだろう。
こればかりは本当にお天気しだいといっても過言ではないのである。
そして、そのお天気は、雲と関わりの深いといわれるわたあめ担当者の人柄によるところが大きいと言うことは、お天気の神様の極秘事項なのである。
ソーラさんとアスカさんがわたあめ担当では、もう既に晴れることは確定していたのであった。
わたあめを買いに沢山の人が来た。子供さん、お母さん、おじいさん、おばあさん、おとうさん……。みんなおおきな雲のようなわたあめを大切そうに持っていったのである。
お客さんとしてやってきたひとりのジェントルマンなおじいさんがわたあめの詩を詠んでくれた。
七色の わたあめ旨し 虹の味
秋空に 白雲浮かぶ わたあめを
わたあめや 祭り太鼓に 笛太鼓
きっとわたあめは、おじいさん、おばあさんたちにとっては、幼い頃を思い出させる味なのかも知れない。
今の時代、お菓子は他に豊富にある。
それでも、今の子供たちにとってもやっぱりわたあめは
とても不思議で、とても美味しいのである。
ましてや、お菓子とて、他にあまりなかったお年よりたちの時代のことである。
なおさらのこと、わたあめは昔の子供たちにとって、どんなにか強烈な印象を与えただろう。至福の味だったのだろう。
お年寄りにはきっと、とても懐かしい味なのだろう。
ソーラさんとアスカさんのわたあめづくりも一日が終わる頃にはプロ並になって来た。
究極のわたあめ作りにも近づいてきた。
わたあめづくりの最後の味付け……、
それは、そう、ふたりの笑顔なのである。
( 2002.12.22 )
(このページに流れている曲は「やまびこ」です。すとどんどんさんの作成されたMIDIです。晴れ渡る秋まつりの空に遠く近く、高らかに響くようです。)