「WormLoveloveNo.1 その四」


 そのころ、アスカさんの発動させたテレパシーはソーラさんの所へも届いていた。
ソーラさんは、となりでのへーっとしているアスカさんに聞く。

「ねえ、すぐとなりでお昼寝してるのに、なんでテレパシーつかうのよ?」

「へっ、こころあたりないわねー。ちょっと今、ご主人何してるかのぞいてただけよ。あらっ。へんねー。」

 二人は、いち早く異常に気付いたのである。

  
 ヤンヤンさんは、早速ソーラさんへテレパシーを送ってみたが、それには応答がなく、なぜか今度は、うそうそアスカさんからテレパシーが届いたのである。
 
 「すきすき すきすき すーきす きー(ホッ) 
          すきすき すきすき すきすき すー(ヘイ)♪」

 ちょっと変だなと思うところもあるけれど、ヤンヤンさんにはすばらしいもののように思えるのである。ちょっと、年の差が…。

「えっ、デヘへー、そうなの。そうだったのか。」

 実は、これはヤンヤンさん自身が発信したテレパシーなのである。あたまの中のアスカさんのイメージを借りて、ヤンヤンさん自身に戻ってきたのである。

  
 WormLoveloveNo.1はこのようにして、蔓延してゆくのである。
そして、このような蔓延方法から、感染源を特定できないばかりでなく、お互いの誤解を生じさせたりもする。

 さらに、その内容からして、カップルの関係にいざこざをもたらしたり、三角関係のもつれを生じさせたりしたとの報告も寄せられている。
 ちょっといたずらもののようでいて、実は警戒を要する新種のヴィールスなのである。

 また、その上に、破壊活動も行うのである。
それぞれのミニダックスの大切な思い出を書き換えてしまうのである。
思い出の中の登場人物を入れ替えたり、結果を書き換えたりもするので、そうなると被害は重大である。

 出来るかぎり早めに駆除しなくてはならない。

          (つづく)

     その五