うさーラさんは、アスかめさんよりも遥かに先を猛スピードで走りながら思うのであった。
これまでこの競争は幾度も行われてきた。
この決戦は、一生に一回だけ。負ければもう後がない。
はたして、この状況でご先祖たちは本当に負けたのだろうか?
そんなばっかなー!?
うっそー!(°о°)
遥かに、アスかめさんは後方である。
あまりにも、圧倒的なこの差。
普通に考えれば、まずはー負けるはずもない。
こんなに一生懸命に飛び跳ねている自分はいったい何なんだろう(。。)
なんかバカバカしくなって来たぞー。¬(°〜°)Г
どんなにアスかめさんが急いでも、どうせ晩までかかるあろう。ここらでちょっと一休みして昼寝でも……。
おっと、これはいけない。
これなんだな!(°о°)
これで、ご先祖はみんなやられた訳だ。
油断大敵!同じ失敗はしないぞー。
うさーラさんは思う。
わたしは、ここで絶対昼寝なんかしない。最後の‘向こうの小山のふもと’のゴールにたどり着くまでは、けっして足を止めない。そんなに時間がかかる訳じゃない。
確実にゴールラインを踏んでから、昼寝でも何でもすればいい。
別に昼寝がしたい訳じゃない。
そもそも何でー昼寝なんかしなくちゃならないんだ。
昼寝なんかしたくもない。
昼寝なんかしないっー♪
昼寝なんかしないっー♪
昼寝なんかしないっ……♪
っと……。へへーん。
ご先祖が昼寝をしたという丘の上は、出発地点からまだ程遠くない場所であった。
確かに眺めがよくて、のどかだ。つい一息つきたくなる気持も分かる。それに、アスかめさんの姿は、まったくもって見えないのである。
晴れ渡る秋の空。広々とした野原。そしてどこまでも続く山々。空気が澄んで気持ちがよい。背筋を伸ばすともっと気持ちがいい。
こうしていると、いま自分がやらなくてはいけないことも見失いそうだ。そして、ご先祖はついその誘惑に身をゆだねたのである。
そんなことをうさーラは思いながら、誘惑を振り切るように、その丘を後にした。
ぴょンぴょンぴょンぴょン……。