やはり、そうだった。
旗の前までたどり着いた。
そのとき……。
どこからともなく声が……。
たどり着きましたね。あなたがはじめてですよ。
前の競争では、あのなだらかな坂道の途中で、あなたのおじいさんは、やる気をなくしたのですよ。
どこからともなく、声が響くのだあった。
アスかめさんのテラパシーの声である。
その旗をつかめばあなたの勝ちになります。
おめでとう。お祝いに、玉手箱を差し上げます。
でも勝負が終わってあなたが確実に勝ってから、この箱は開けてくださいよ。けっして前に開けたらダメですよ。
それでと、
さて、Questionです。(^^)
この玉手箱の中には何が入っているでしょうか?
それは、この旗をしっかり握ってぬきっとって、審判さんに分かるように空に向けて大きく振って勝負をつけて、
そ・れ・か・ら・
開けてね。(^〜^)
さーーーーて、
何ーーがーーーー、入ってーーー、
いーーるーーでーーしょうーーーかーー?
キャハハハハーーーー。(^〜^)
キャハハハハーーーー。(^〜^)
キャハハハハーーーー。(^〜^)
……
こっ、こっ、これはっ、……(^^;)
うーーーーん。
うさーラさんは、最後の、そして最大のテレパシーの壁にぶつかったのである。
それは、玉手箱をもらった瞬間に、どーーーーーーーしても、
中が見たくて見たくて仕方なくなってしまったのである。
棒を握ればいいんだ。そしてぎゅっと抜きとって、審判さんが空からよく見えるように、大きく振ればいいんだ。
旗は30センチもない所にある。いつでもちょいと触れるのである。
そよそよと風になびいて、旗が顔になびきかかりさえしている。
するとまたしても、あの想いが湧いてくる。
もうここまで来たんだ。テレパシーのアスかめさんの声はは、ここまでとどくけれど、実体はまだ、はじめの丘にもたどり着いていない。
あまりにも、圧倒的なこの差。
普通に考えれば、まずはー負けるはずもない。
いや、どう考えてもけっして、けっして負けないだろう。
さすがにもう勝ったも同然だ。
しかし、その瞬間自分の言葉にハッっとしたのである。
おっと、これはいけない。
これなんだな!(°о°)
これなんだな!(°о°)
これなんだな!(°о°)
これなんだな!(°о°)
これなんだな!(°о°)
これで、ご先祖は一回も勝てないでいる訳だ。
油断大敵!そして、もう一度、油断大敵。
そして、そして、やっぱりもう一度、油断大敵。
そして、最後までやりぬくことが大切なのだ。
そう、そうなのだ。同じ失敗は、やっぱり、してはならない。
心の中で、喜びの声が聞こえる。
それでいい。きっと、勝ってね。
それでいい。さあ、旗を握って、旗をぬきとって。
そして、そして、そして大きく空へ向かって振るのよ。
くちばしの長い審判さーん。見てー。
うさーラさんは、油断と言う大敵を最後のこの場面でも克服することが出来た。すばらしい精神力である。これは長きに渡る鍛錬の成果なのである。
しかし、そこにはアスかめさんの仕組んだもうひとつの強大な敵が横たわっていたのである。