親切な子供づれのお母さんは、わたあめを作ったことがあるそうだ。
それで、やり方を教えてくれた。
「コツがあるのよ。そのコツをつかむのが、ちょっと時間がかかるのよ。練習よ、練習……。」
それで自分の子供さんたちの分のわたあめを注文してくれた。
ソーラさんとアスカさんには貴重な練習となった。
ソーラさんとアスカさんは交代で作ってゆくのであった。
だいぶ慣れてきて、さっきみたいに慌てふためくこともなくっては来たが、かたちは、今ひとつだった。
子供さんにあげるのは特に大きく作りたいと思うのだけれど、かたちがいびつだと崩れてきてしまって、大きくしようとすると崩壊する危険が出てくるのである。だから、その手前でやむなく終りにするのである。
「はいどうぞー」
(ハー、ヤバかった。これ以上いくと壊れてたな……^^;)
もらった子供は、なんだかいびつなわたあめを、壊れないうちに急いで食べるのである。
「はいどうぞー」
(ハーーーーア、渡したぞー、ヤバー、あと知らなーいっと……)
ある子供はいびつなわたあめを受け取るが、その瞬間、頭でっかちのわたあめは完全にかたちが崩れた。エーん、と子供が泣く。でも食べればいいのだ。アイスのように、落ちてしまうこともない。
「ホー」(アスカさんは胸を撫で下ろすのである。)