「 わたあめふわふわ その七 」

  


   ソーラは必死で、わたあめの雲を追いかけるのをやめにしてみた。
どうせくるくる回っているのである。一回通り過ぎても、また、わたあめの雲
はタライの中を一回転してわたあめ雲の方からこちらへやってくるのである。
あせってはいけない。
 ソーラさんは、一箇所で割り箸を構えた。
もう自分から追いかけまわして動くことはない。わたあめの雲は、向こうからどんどんこちらへ向かって来るようである。

 一箇所に止めてある割り箸をくるくると回す。
わたあめの雲は、それに寄り添うように、割り箸にするするとまとわりついてくるのである。

 割り箸くんが、

「うるせーなー、あっち行けよ……」

といったとしても、

わたあめ姫は、

「そんな冷たいこと言わないデー……」

とやってくるのである。

( ちょっと例えが…… 悪いですねー )

 ソーラはそのわたあめをするすると割り箸の先に巻きとって行く。
綺麗に丸くなった。そして、そのかたちのまま、見る見るうちに、これまでふたりにはつくることが出来なかった巨大なわたあめへと成長していったのである。

 「これだったのねー」
ソーラさんは言う。

 「なるほどねー」
アスカさんもうなづく。

 プロジェクトエックスのテーマソングが聞こえて来そうである♪

 それから、ふたりは特大のまん丸なわたあめを作り続けたのだあった。