「 着ぐるみ大作戦 そのニ 」





 こりゃー、このまま見過ごすという訳にも行かないぞー(^^;)
でも、お兄さんたちに逆恨みされて、あとあとまでつけ狙われたらどうしよう。

 あー、どうしよう、どうしょう(。。;)
ここで行かなきゃ男じゃないよねー。

 見ていると、紙コップとかグシャリとか踏み潰している。
曇り一つないピカピカの靴!

 おー、怖えーーよーー。

 やっぱ帰ろうー。
あっと、まてよ、今、自分は着ぐるみを着ているのである。

 ホーォ、(°_°)

 これを着ていれば、ひょうきんな顔なので、案外簡単に許してくれるかもしれない。
 それに、蹴られても痛くもないだろう。
 それに誰だかわからない。

 着ぐるみさまさま……。よし(・_・)

 着ぐるみマッキは、おそるおそる、お兄さんたちのいるわたあめ屋に近づいていった。
 あこがれのソーラさんは、顔が青ざめている。

 さっそうと登場するのとは大違いである。
なんだか、やっぱりやめた方がよかったんじゃないかなー。
 ひょっこりと現れた。ソーラさんたちまで、この人はいったい何ー……っと驚いていたほどである。

 「なんだー、おめーさん。人をなめてんのかー」  

 着ぐるみジェスチャーで答える。

( イエイエ、ソンナ、ツモリハ、ナイノ、デス )

 「するってえと、おめーさんがこのおとしまえつけてくれるのかい……。」

 着ぐるみジェスチャーは続く……。

「ハー、なんだとー。ソンナ、キモチハゼンゼン、ナイノデス、カンベンシテクダサイ……、だとー」

「そういう訳にはちと、行かねーんだよ。ショバ代をもらわねーとなー。
ずいぶん客も入ってもうかってるみてーじゃねーか。
それとも何かい、そこのお嬢さんが、うちらとデートでもしてくれるんかい。」

「なんだと、ボクナラ、イツデモ、ヨロコンデ、オトモ、シマスヨ、だってー。」

「おめさんじゃー、ダメにきまってだろうーん。おもしろくもねー」

「なんだと、ドウカ、カンベンシテクダサイ。だとー。」

「男らしくもないこと、言ってんじゃーねーよ。なさけねーなー。
おめーさんの心配しても仕方ねーけどなー。もっとガツンときてみろよー。」

「なに、ワカリマシタ、スイマセン、だと。」

「また、あやまってやがるなー。あやまりゃー済むと思ってんじゃーねーだろーなー。
ごめんなさいで済みゃーなー、警察は要らないんだよ。
分かってんのかー。あーん。」

(ショボさんはすばらしい演技である。だんだんホントに腹が立ってきた。)

「よーし、わかった、じゃなー。ショバ代もデートもカンベンしてやるよ。
その代わり、おまえさん、そこで3回まわってワンって言ってみなー。
それだけじゃねーぞー。ずーっと臥せって言うのもやるんだぞー。」

「なに、サンカイ、マワッテ、ワン、ハ、イイケド、ズットフセ、ハ、イヤダって」

「ふざけてもらっちゃー、困るんだよ。3回まわってワンはなー誰だって出来るんだよ。でもなずーっと臥せはなー。そうめったにやれるものじゃーねー。そこが一番大事なんだよ。さー、やってもらおうじゃねーか。」

(ホントにだんだん頭にきたぞー、すーっと臥せをやれと言うなのか。我慢ならない!)

 という訳で交渉は決裂したのであった。

 くしくも、怖いお兄さんたちと一戦交えることになってしまった。


 あーん、ずーっと臥せ、やっときゃよかったかなー。意地張っちゃタなー。
きゃー、張り切ってるよ。パンチするどそー。ウヒャー。参ったなー。
 あのグラサンのじーさんミニダックス、もう雰囲気だけで苦手だよー。親分ってあのひとでしょ。やだなー。第一相性が悪いんだよなー。


 いつものように、前ふりが大変に長くなった。
やっと格闘シーンに入るのである。