「 着ぐるみ大作戦 その三 」





 そもそも何でこのショボさんとグラサンじいさんたちふたりがソーラさんとアスカさんのわたあめ屋に因縁を付けてきたのだろう。
それは、あのチンピラさんふたりに聞いてみないとわからない。きっと訳があるんだろう。
 まさかわたあめが食べれなかったのを逆恨みしているわけではないと思うが。
まさかそんな大人げのない理由で逆恨みもしないと思う。
 でも案外に人がひねくれるというのは、ささいな理由が原因であったと言うことが世間には多いものなのである。
 まさかねー。気をつけないといけない。

 とにかくこのショボさんとグラサンじいさんはひねくれてしまい、今や手のつけられないチンピラさんと化してしまったのである。

 ソーラさんとアスカさんは、心配そうに見守っている。
カエルの着ぐるみさん頑張って……(^^☆)

 
 怖いお兄さん役の、このショボさんとグラサンじーさんに向かい合ってみると
ただものでないことが伝わってくる。なんと言う存在感。肌を刺すような、この威圧感。相手にとって不足はない。いかに自分を失わずに戦い抜くかである。

 もうこうなってしまっては、後には戻れないのである。
もうすぐに戦いははじまってしまうのである。そして、多分五分もかからずに決着がついている事だろう。K−1でもそうだけれど、真剣勝負という物は、あっけないほどに、あっと言う間の出来事なのだ。瞬きする間にすべては決まってしまう。だから勝負は時の運ともいえるのである。女神に見放された方が負けるのである。

 あー、やっぱりやめておけばよかったなー(ー_ー)
ホント、何でこうなちゃったかなー。あーもー。

 その瞬間であった。踏み込んできたのである。
やはり、思っていた以上に、攻撃にスピードがある。
 そこに込められているテレパシーエネルギーのバランスも申し分がない。

 やるなー (・_・)☆

 
 「ほほー、今の攻撃を、かわすとはー、おめーさんもけっこうやるみてーだなー。おもしれーや。いくぞー」

 ショボさんは鋭いパンチと蹴りのコンビネーションを繰り出してくる。

 この着ぐるみは、大変にマッキさんの身体にフィットしていて動きやすい。
そして防御性に優れているのである。覆面レスラーになったようだ。
 カエルの着ぐるみですばやく動き回るのである。

 カエルの着ぐるみさんがテラパシーエネルギーを蓄えて低く構え、目にもとまらぬ速さで攻撃のすべてをかわしてゆく。思わず周囲の人は、笑ってしまうのである。

 なんだーありゃー。

 一対一では決着がつくものではない。
お互いに息がはずんでいる。しかし、テレパシーエネルギーには、お互いに乱れは少しもないのである。

 とうとうグラサンじいさんが登場する。

 ショボさん、一人では手に負えないようだね。
このグラサンじいさんは目は見えないのである。
 テラパシーエネルギーの流れだけを感じ取って戦うタイプなのである。
返って、この方が厄介なのである。それでこのグラサンじいさんは今の地位まで上りつめた使い手なのだ。

 あーあー、とうとう出てきちゃったよ。あのじいさん。
もー、やだなー、参ったなー。あー、もーやー。

 マッキさんは心の中で嘆くのである。
しかし、もう後には戻れない。
 これは、きっとぼこぼこにされるかもしれないぞー。

 ふたりがかりの攻撃である。


 最初のショボさんの全力の攻撃、もちろんテレパシーエネルギーも全開だ。
これを、かわせば、もうショボさんに攻撃する力は残っていないだろう。
その攻撃を紙一重でかわし切った。しかし、さすがの攻撃であった。かすっていっただけなのに頬が焼け爛れているみたいだ。

 あー、顔がー。着ぐるみの中でも熱が感じられる。

 しかし、ふたりのコンビネーション攻撃。続けざまにグラサンじいさんのより鋭い攻撃が襲ってきた。鋭さといい、テレパシーのコントロールとパワーといい、ショボさんの全力の一打よりも、より威力があるかもしれない。

 それに一打目の攻撃をかわすのが精一杯であった。

さすがに二打目の攻撃は、かわしきれなかった。
相当食らってしまった。


    うーー。  バタリ。